ホーム / インタビュー / 「自信がなかった私が、好きで生きられるようになった」──マリナが語る、TikTokとファッションのこれまでとこれから

「自信がなかった私が、好きで生きられるようになった」──マリナが語る、TikTokとファッションのこれまでとこれから

2020年からTikTokで活動を始め、現在は130万人以上のフォロワーを持つマリナ。ファッション動画をきっかけに注目を集め、TikTok Awards Japan 2022でファッション部門の「Fashion Creator of the Year」を受賞、2026年には自身のブランド『POYUM』を立ち上げるなど、活躍の幅を広げてきた。

本記事では、活動の原点から試行錯誤、そしてこれからの展望までを聞いた。

■「なんとなく始めた」が人生を変えた最初のバズ

インタビュアー: TikTokを始めたきっかけは何ですか?

マリナ:
2020年の9月頃に始めたんですけど、最初は完全に趣味でした。TikTokが流行り始めたタイミングで、みんながダンスしているのを見て「ちょっと撮ってみようかな」という延長で投稿していました。

本格的にやろうと思ったのは、10月に投稿したコーデが切り替わる動画がきっかけです。その動画がたくさんの人に見られて、「動画を作るのって面白いな」と思って、そこからちゃんと続けるようになりました。

現在317万回、いいね数33.9万、コメント数2556(2026年4月10日現在)


当時は本当に自分に自信がなくて、人と話すのも苦手でした。でも服は好きで。アニメのキャラクターみたいに変身する感覚でコーデを見せたら楽しそうだなと思って作ったのが、あの動画でした。

投稿したときはスタバでバイト中で、1時間後の休憩でスマホを見たら通知が一気に増えていて、「何が起きたんだろう」と本当にびっくりしたのを覚えています。

最初のバズから見つけた、“自分の型”

インタビュアー: 今のスタイルにたどり着くまでの試行錯誤は?

マリナ:
最初にバズった動画がきっかけで、「これでやっていこう」という流れにはなったんですけど、最初から同じ形で続けようと思っていたわけではなかったんです。

むしろ、自分の中では「いろんなパターンで投稿した方が飽きられないんじゃないか」と思っていて、少し変えながらやろうとしていました。でも、周りから「それがキャッチになっているから、そのまま続けた方がいい」と言われて。同じフォーマットで投稿していったら、「この人といえばこれ」という認識が広がっていって、そこから伸びていきました。

やっぱり一つの型を定着させるには、ある程度の回数を重ねることが必要なんだなと感じました。一回の投稿だけでは届かないくらい、たくさんの人が見ているので。

ただ、その中で悩んだのは、「なぜこの動画が見られているのか」という部分でした。服を変えるだけだと、見た目の変化としては弱くて、色が変わっただけになってしまうこともある。

そのときはまだ言語化できていなかったんですが、今振り返ると、共感やワクワクといった感情が必要だったんだと思います。それをどう服の見せ方に落とし込むかは、かなり試行錯誤していました。

インタビュアー: 何を参考に改善していきましたか?

マリナ:
一番はコメントですね。「ここが好き」とかシンプルに言ってもらえるのがすごくヒントになりました。

あと海外からのコメントも多くて、「アニメのキャラクターみたい」という反応がすごく多かったんです。それを見て、「この方向性はブレちゃいけないな」と思いました。

カジュアルな服装の若い女性が緑の椅子に座っている。背後には書籍や漫画が並んでいる。

■トレンドは“服だけじゃない”。すべてがヒントになる

インタビュアー: トレンドの見つけ方は?

マリナ:
SNSを見るのと、実際に服を見に行くことが基本です。ただそれだけじゃなくて、アニメや漫画、テレビなども含めて、いろんな情報を頭の中に置いています。

服を見たときに、「これアニメのキャラが着ていそうだな」とか、そういう連想からアイデアが広がることも多いです。

他のクリエイターの動画もかなり見ます。コメント欄を見ると、その人のファン層や求められているものが分かるので、それも含めて自然とインプットしています。

■“好き”を起点にするということ

インタビュアー: 普段からアニメもよく観られるんですか?

マリナ:
めちゃめちゃ観ますね。ジャンルで言うと、転生系はとりあえず出てきたら全部観るくらい好きです。同じような展開でも安心して観られるというか、そこが逆に好きで。あとは『鋼の錬金術師』とか『コードギアス』みたいな作品も好きですし、『日常』『小林さんちのメイドラゴン』みたいな日常系もすごく好きです。基本的にファンタジーは好きですね。

今期だと『とんがり帽子のアトリエ』がすごく楽しみで、漫画もずっと読んでいたので、アニメ化が本当に嬉しいです。

インタビュアー: 動画を作るためにアニメを観ることもあるんですか?

マリナ:
それは絶対にしないようにしています。服もそうなんですけど、「動画のために買う」「動画のために観る」という順番にはしたくなくて。

あくまで自分が好きで選んだものを、自分の中で消化して、それを動画に落とし込む。その順番を崩してしまうと、最初に好きで始めたものが変わってしまう気がするので。

■ファッション動画の変化と、自分の現在地

インタビュアー: ファッション系クリエイターが増える中での変化は?

マリナ:
最初にバズった頃は、そもそもファッション動画自体が少なかったので、あのスタイルは一つ抜けていたと思います。

今はクオリティもすごく高くて、大きく分けると「ゲーム性のある動画」と「喋りで紹介する動画」の2パターンに分かれてきていると思います。

私は今、後者の方にシフトしていきたいと考えています。ブランドを立ち上げたこともあって、単純なコーデ紹介だけでなく、「なぜこの服なのか」「どう作られているのか」といった背景も含めて届けていきたいと思うようになりました。

ソファに座っている若い女性が、手を動かしながら何かを話している。背景には本棚があり、漫画や書籍が並んでいる。

■「仕事」としての自覚が芽生えた瞬間

インタビュアー: TikTokが仕事だと実感したタイミングは?

マリナ:
最初は事務所に入ったときや案件をいただいたときですね。ただ、そのときは正直あまり実感はなくて、「楽しい」が先行していました。

大きく意識が変わったのは、有名ブランドとお仕事をしたときです。自分の動画が企業に届いているんだと感じて、「ちゃんと責任を持たないといけない」と思いました。

そこからは、発信一つひとつに対する意識が変わりました。

■TikTokがくれた「結果」と「可能性」

インタビュアー: 続けてきて良かったことは?

マリナ:
TikTok Awardsで賞をいただけたことは大きかったです。自分の立ち位置や影響力を初めて実感できた瞬間でした。

それと、ブランドを立ち上げられたことですね。独学でここまで来て、自分の好きなものを形にできたのは、TikTokがあったからこそだと思っています。

さらに、海外のファッションコンテストに参加する機会もいただいて、より深くファッションに関われるようになったのも大きな変化でした。

■ブランドに込めたのは「感謝」と「責任」

インタビュアー: ご自身がデザイナーを務めるブランド『POYUM』を立ち上げた理由は?

マリナ:
一番は感謝です。自信がなかった自分が、TikTokを通じて「好き」を見つけることができた。その経験を自分だけで終わらせたくないと思いました。

ただ、誰かに任せて作るのではなく、自分でちゃんと理解した上で届けたかったので、1年間しっかり服づくりを学びました。

自分の中で「これなら届けられる」と思えたタイミングで、ブランドとして形にしました。

座っている女性が手を上げている。背景には本や雑誌が並ぶ書棚がある。

■これからは“過程”もコンテンツに

インタビュアー: 今後やっていきたいことは?

マリナ:
そうですね。やっぱり、服の制作過程をちゃんと届けていきたいなと思っています。

完成した服だけじゃなくて、その中身というか、自分の気持ちや込めた思いも含めてなんですけど、今自分が見ている「服が作られていく過程」って、普通に生活していたらなかなか見られないものだと思うんです。

それを、このフォロワー数がいる状態で見られているということは、そのままたくさんの人に届けられる立場にいるんだなと感じていて。

今はSNSやネットで服を買うのが当たり前の時代になってきている分、「どうやって作られているのか」「どんな人が関わっているのか」が見えない不安もあると思うんです。特にインフルエンサーが出しているブランドだと、品質の部分も含めて不安に感じる人もいると思います。

だからこそ、自分のブランドの品質はもちろんですが、実際に服がどうやって作られているのか、どんな人たちが関わっているのかというところも含めて、しっかり届けていきたいと思っています。

■これから始める人へのヒント

インタビュアー: これから始める人に伝えたいことは?

マリナ:
具体的なノウハウを人に言える立場ではないと思っているんですけど、でも一つ言えるとしたら、「仕事」と「好き」をちゃんと分けて考えることかなと思います。

今って、仕事として始める人も多いと思うんですけど、どこかのタイミングで絶対に「楽しい」とか「好き」といったポジティブな感情って生まれていると思うんです。そこはちゃんと大事にした方がいいなと思っていて。

ただ、それを混ぜすぎてしまうと、ずっとふわっとした状態になってしまうというか。TikTokって見る側にもなれるので、気づいたら感覚が曖昧になりやすいと思うんです。

だからこそ、自分の中で「これは仕事としてやっていること」「これは自分が好きでやっていること」と整理しておくと、結果的に楽しく続けられるんじゃないかなと思います。

本を背景にした椅子に座っている若い女性のポートレート。

プロフィール

地面に座り、手を顔に当てた女性のポートレート。ストライプのセーターを着ており、背景には緑がある。

マリナ(Marina)


ファッション系TikTokクリエイター、デザイナー、モデル。
8bit音源に合わせたコーディネート動画で注目を集め、トレンドからストリート、ハイブランドまで幅広く着こなすスタイルで支持を拡大。
TikTok Awards Japan 2022にてFashion Creator of the Yearを受賞。2026年より自身のブランド『POYUM』を立ち上げ、商品は即完売となる。
TikTokのフォロワーは130万人を超え、TikTok上でトレンドを生み出す存在として活躍している。

POYUMU公式サイト:https://poyum.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/poyum_official/

タグ付け処理あり:

アニクル!NEWSをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む